アリアドネの糸

4月30日Ⅵ(31)

それにしても、いつのまにか小説みたいな展開になってしまった。

なんだろう、現実味を帯びづらいというか。

それの一端は三和さんにもあると思う。

彼女は本当に人形じみていて、同じ人間なのかどうか結構不安になる。


ただ、私Dr.カンフルとか言われてるんか。

樟脳博士てことか。

まあ的確か。

詩歌は乙女剣士だとか。

印象通りだなぁ。

いいなぁ可愛い呼び名で。

あと、三和さんのオーロラ姫。

Auroraをローマ字読みするとオーロラだかららしい。

たしかに、姫と呼ぶにふさわしい品格と容姿だ。


これが三銃士とやらか。

違うか。

ただ、あまり浮かれてられるような状況でもないんだよな。

私と詩歌は三和さんのことをよく知らないし。

詩歌は多分三和さんのこと警戒してるし。

この先どうなるかなぁ。うまくいくといいなぁ。


「あ!三和さん!

 私のおばあちゃんってどうなってる!?」

「あ」

「あ」

三人揃ってドタバタしすぎててど忘れしてた。

ごめんおばあちゃん!

ほんとごめん!!!

「とりあえず家に戻ろ!」

「はい!」

「うん!」

みんなで初行動だ。


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