4月30日Ⅵ(5)

「架那ちゃん、今日架那ちゃん家泊まりに行ってもいい?」

普段駅で別れるところで、突然架那がそう切り出した。

「え、今から?」

「うん、だめかな?」

「お婆ちゃんに聞いてみるよ」

多分泊まるの自体はオッケーなんだと思うけど。

え?お泊まり?

あれってフィクションの中だけじゃないの?


「もしもしお婆ちゃん。詩歌が家泊まりにきたいって言ってるんだけど、いい?」

「いいよぉぜんぜん。架那ちゃんのお友達なら歓迎会しなきゃね」

「いいよそんなの!とりあえずまたね!」

そんな大袈裟な。

恥ずかしいからやめて。

「大丈夫だって」

「やったぁ!じゃあいこいこ」

「あ、でも詩歌着替えとかは?一回家取りに帰る?」

「いっぱい遊びたいから時間がもったいないからいいよ。

 もしよければ架那ちゃんの服貸して。彼シャツみたいで楽しみだなぁ」

「別にいいけど、彼シャツいうなし」

「あははー」

私たちは笑いながら、私の家へ向かった。

なんか変な感じ。

今日は目一杯遊ぶぞ!

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