4月30日Ⅵθ(28)

「いくつか確認させて。全て正直に答えて。」

「わかりました」

「架那ちゃんを誘拐したのは、架那ちゃんのお父さんの死の真相を探るためっ

 てのに、偽りはない?」

「はい確かです」

「架那ちゃんのお父さんの死の真相を知ることに協力して、あなたたちのメリッ

 トは?」

「架那様の信頼獲得、及び正式な研究スポンサーにつかせてもらうことです」

ここまでは、まあ大体予想通りか。

一つぶっ込んでみるか。

「この世界がループしてることは知ってる?」

「はい」

「え!?ほんとに!?」

「はい、嘘は申しません」

え?これがほんとだとすれば、なぜ覚えている?

「でも、世界がループするたび、私以外の記憶は消えるはずなんだけど」

「神坂様のような力を持った人が、貴女お一人だけだとお思いで?」

言われてみればそうか。

私だけっていう理由はどこにもないのか。

「ちなみに世界がループする条件って知ってる?」

「はい、僭越ながら架那様を監視している中でいくつかは把握しております。

 架那様が神坂様にそのことを告げる。

 逆に神坂様が架那様に告げる。

 また、神坂様が自殺する。このあたりでしょうか」

彼女はあまり自信なさげに言った。

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