4月30日Ⅳ(5)

「じゃあまたね〜」

「また明日」

清水駅で別れたあと、JRで東静岡駅まで行って、家へと歩いて帰る。

先輩たち親切で、実験も楽しかったなぁ。

明日は生物班見に行こうかな。

楽しみ。

と、突然走っていた車が私を越えていったかと思うと、道の脇に止まる。

するとそこから何人もの黒いスーツ尽くめのサングラスをかけた人たちがぞろぞろ降りてきたかと思うと、次の瞬間ビリビリっとして私は意識を失った。



………っ!?

え、なに!?

ここどこ!?

暗いから明かりがなく何もわからない。

手が縛られてるとかじゃない。

軟禁状態ってやつか。

なぜだかはわからないが、自分でも今非常に落ち着いているのがわかる。

テスト終了10分前のような心の静けさだ。

落ち着け私。

落ち着いて考えるんだ。

ミスをしないようにすれば、何も問題はない。

とりあえずここから逃げることだけ考えろ。

話はそこからだ。

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