4月30日Ⅳ(6)

さてどうしたものか。

なんか落ち着いてるせいで、なんともないような気がしてるけど、

この状況結構やばいんだよなぁ。

これ誘拐、後軟禁でしょ?

こんな犯罪とは無縁の世界を生きてると思っていたのに。

まずは今が何時かを確認するのが最優先だが…。

窓はなく、時計はしてないし、ご丁寧にスマホは没収と。

あれ?

なんか腕が痛い。それに袖にへばりついてたはずのスライムが軽く取れてる。

どこかにぶったりしたかな?

うーむ。

わからないことが多すぎる。

早くもピンチだ。

お婆ちゃんが心配して警察に相談でもしてくれてるかなぁ。

詩歌は気づいてくれるかなぁ。


それと、あとは動機だな。

なんで私が拐われたのかわからなければ、相手との交渉もできないだろうし。

…。

私に攫う価値なんてある?

ないでしょ。

まさか私のこのひんぬーが好きな人が観賞用に誘拐!?

薄い本的展開か。

ばかばかしい。


まあ、多分普通に考えて私の頭脳でしょうね。

バサ姉と同じだと思う。

自慢じゃないけど私頭いいもん。

中学の時に高校の勉強は全て終わってるし。

これはまあ普通か。

先輩にも言われたけど、中一の時に日本物理学会でなんたら賞とったし。

一時期はメディアに煽られて神童とかなんとか煽られたことあったしね。

モーツァルトか私は。


うーむ。

そうすると殺される恐れはないのか?

死んだら頭の使い道はないだろうし。

だとすれば、大人しく軟禁されるのがベストか?


…たすけてだれか。

たすけて詩歌。

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