5月5日Ⅹψ(23)

ブルブルブルっと、ポケットの中の携帯が震えました。

恐らく汀からでしょう。

『これより、予定通り敵と抗戦状態に入ります。愛奈様もお気をつけて』

予め、戦闘になる前に送るよう、決めていた定型文のメールが届きました。

これが届いたと言うことは、もっぱら現在、詩歌さんと汀は戦闘状態なのでしょう。


「愛奈さんどうかした?」

スマホを見つめていた私に、架那さんが、私におずおずと尋ねてきます。

架那さんは、人の感情の起伏を読み取るのが得意みたいです。

以前から、私の感情の変化を細かく読まれているみたいです。

ですが、今はそれがありがたいです。


「いえ、汀と詩歌さんから、現状報告のメールが届いたので、気を引き締めなければ、と思っていただけです」

「そっか、詩歌も今、頑張ってるのかぁ。後でいっぱい話聞きたいな」

「ええ、そうしましょう」

私たちはにっこり笑い合うと、食事に戻りました。


お気をつけて、お二人とも。

必ず、無事に私たちの元へ帰ってきてくださいね。


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