4月30日Ⅴθ(14)

「…ちゃん、詩歌ちゃん」

「なぁに?架那ちゃん」

誰かに呼ばれた気がして、起き上がると目の前にいたのは架那ちゃんじゃなくて、架那ちゃんのおばあちゃんだった。

「架那ちゃんのおばあちゃん?どうしたの?」

「それが、さっき起きてここを見に来たら架那がいないんじゃ」

「え!?」

言われてあたりを見渡すと、どこにも架那ちゃんの姿がない。

「おばあちゃん、家の中は全部探した?」

「探したんじゃが、どこにもおらんくてのぉ。

 詩歌ちゃんなら知ってるかと思って、今起こしたとこじゃ」

まずい。

非常にまずい。

「もしかしたら外に行ってるかもしれないからちょっと外見てきてください!」

「わ、わかった」

おばあちゃんに言い残すと、私は部屋にかかっているカーテンに走った。


「あった!」

家にお邪魔して探検していた時に、何箇所かに架那ちゃんには黙ってカメラを置かせてもらっていた。

あわよくば架那ちゃんを攫った犯人が映るのではないかと。

「見てみるか…」

ここに犯人が映ってますように…。

架那ちゃん無事でいてね!

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