5月5日Ⅷθ(2)

「まずは三和さんごめん。さっきは強く当たっちゃって」

「いえ、私の方こそすみませんでした」

私たちはお互いに頭を下げて謝りあった。

「ちなみに聞くが、神坂は今ループしてきたんだな?」

「はい、その通りです」

師範は特に訝しむ訳でもなく尋ねてくる。

「今回は3回目のループです」

三和さんが細く説明を入れる。

「神坂、今の段階で分かった情報を事細かに教えてくれ」

「はい」

私は師範に、これまでの1部始終全てを話した。

1回目は、師範と三和さんの二人で伊豆に行って敵に襲われたこと。

その時、私と架那ちゃんは浜松へ行ったが無事だったこと。

2回目は、私と師範と三和さん三人で伊豆へ行ったが敵と二階堂さんが現れなかったこと。

佐藤さんが遠距離からの護衛にまわっていたのにも関わらず、架那ちゃんが何者かに中国行きの大型船で拉致されたということ。


「なるほどな」

師範は一部始終を聞き、大きく頷いた。

「ですので、今わかっている情報から現状を分析し、今後の方針を決めていきたいと思います」

三和さんは私たちに頷きながら告げた。

これ以上何度も誰かを失ってたまるものか。

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