4月30日Ⅵ(1)

詩歌との楽しい毎日は、あっという間に経過し、いつのまにか4月ももう終わろうとしていた。

昨日は学校が用事で休みのため、火曜日から授業が始まる。

今日からまた一週間、楽しい学校生活を送ろうじゃないか!


「ねね、架那ちゃん。

 今日数学はじめての週テストだよね。緊張するなぁ〜」

朝いつものように駅で合流して、学校へ歩いていく途中、詩歌が話題を振ってくる。

「ああ、そういえばそうだっけね。数と式と二次関数の始めか」

「架那ちゃん余裕ですか??さすが主席ですねぇ」

詩歌がニヤニヤしながら、私の脇腹を細く綺麗な指で突いてくる。

「もう。そんなんじゃないってば」

私も笑って言い返す。

「よぉしがんばるぞぉ!」

詩歌は突然そう言ったかと思うと、勢いよく学校に向かって走り出した。

「もう、走らないでってばぁ!」

私は急いで詩歌の後を追う。

「はやくはやく!」

道の先で跳ねながらこちらに大きく手を振ってくる。

…ほんと詩歌は自分勝手なんだから。

「今行くってば!」

今日もいい日になりそうだ。

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