4月30日Ⅵ(2)
放課後。
私たちは、部活見学のためにいろいろな部活を回っていた。
「架那ちゃん入るとしたら文化部系でしょ?」
「うん多分。詩歌は体育会系?」
「私は架那と同じとこ〜」
詩歌は、うふふと笑う。
「そんな決め方でいいの?」
「いいの〜」
「そう。なら自然科学部見に行くつもりだけどいく?」
「うん!」
詩歌は笑って大きく頷いた。
S高自然科学部は、科学班・生物班・物理班・地学班の4つがある。
県内でもなかなか見ないほどの充実ぶりである。
「どこ班いくの?」
詩歌が首を曲げて尋ねてくる。
「うーん、一番上の階にあるしまず物理班かな」
「了解です」
私に詩歌は戯けて敬礼する。
「もうふざけないでいくよ?」
「はーい」
私が前を歩いていくと、その後ろを詩歌がとてとてついてくる。
まるでペンギンみたい。
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