5月5日Ⅹ(28)

「そういえば愛奈さん」

「なんですか?」

私は、ふと疑問に思ったことを愛奈さんに尋ねてみた。

「今汀さんと詩歌が戦える組として選ばれてるみたいだけど、詩歌ってどのくらい強いの?正直、実際に見たことないからあんまり実感わかなくて」

「そう言うことですか」

愛奈さんは、ふむと言って、少し思案する。

慎之介さんも興味があるのか、少し前のめりになって私たちの会話に聞き入った。


「そうですね、まず凡人では数百人が束になっても勝つことはないと思います」

「ええ!? そんなに!?」

数百人って。

凄まじく強いじゃん。


「もともと詩歌さんは剣道日本一ですので、剣の腕は誰が見ても一級品です。ですがそれに加えて、空手、柔道、合気道も身につけています」

「と、言うと?」

それがすごいことなのだろうと言うことくらいはわかる。

「剣を握っても、素手でも戦えます。さらに、投げ技、固め技、関節技までも」

「要は、近距離戦のスペシャリストということだよ。今すぐにでも特殊警察部隊に入って活躍できるだろう逸材だね」

愛奈さんの説明を聞いていた慎之介さんが、補足で説明する。

「なるほど、要は超強いってことか」

「ええ、超強いですよ詩歌さんは」

なるほど。

それならば、私如きが心配することはないか。

でも、万が一ということもある。

気をつけてね、詩歌。

絶対死なないでね。

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