4月30日Ⅳθ(12)

あとは果たしてどうやってループを起こすか…。

今わかってる条件は、

架那ちゃんに言う・架那ちゃんに言われる、の二つ。

…待てよ。

今言った条件をこなすと、私は死んで世界がループする。

ということは、真のループの条件は『私が死ぬこと』…?

いや待て。

その考えがわたしには、正しいとはいえないけど、正しくないともいえない。

十分条件も必要条件も満たしてない状況。

もしこの仮説が全くの見当違いだったら、私が死ぬだけで、世界はループなんてしない。

そのまま架那ちゃんは、どこのだれとも知らない奴に誘拐されたまま。

なら。

一抹の可能性があるなら、ほんの少しでも僅かな可能性があるのならば、

私の命を賭けることなんて簡単だ。

参加料にも満たないね。

だって架那ちゃんのいない世界じゃ生きる意味なんてないんだから。


確実なのは、電車に轢かれることかな。

ここの踏切でいいかな。

お母さん、お父さん、もしこのまま何も起こらず死んじゃったらごめんなさい。

でも許して。

そうなっても、これは私が望んだ結果だから。

決して軽はずみに命を捨てたわけじゃないってことはわかってほしい。


さあ、かかってこい世界。

私は何度負けたって挑み続けてやる。


「待っててね、架那ちゃん」

私はそう小さく呟くと、迫ってくる電車目掛けて勢いよく線路へ飛び出た。

その瞬間、爆音とすさまじい衝撃に襲われ、私は意識を失った。

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