5月6日Ⅹ(2)
「詩歌さん、本当にお疲れ様でした」
「三和さんもお疲れ様。無事私だってバレずに乗り切ったよ」
愛奈さんと詩歌も互いに検討を讃えあう。
心なしか、詩歌と愛奈さんの心の距離が少し近くなっているような気がする。
少しかもしれないが、大きな一歩だと思う。
「三和さん、この後今後の話し合いする?師範から伝言があるんだけど」
「そうですね。お聞きしたいのは山々なのですが、皆さんかなり疲れているでしょうし、私はこの後汀の見舞いに行きますので、睡眠をとった後、集まってお話をするとしましょうか」
「わかった。私たちも行こうか?」
私は愛奈さんに尋ねる。
「いえ、大人数で出向いてもなんですし、お二人はここで休憩なさっていてください。私が責任を持って汀の見舞いは行きますので」
「任せたよ、三和さん」
「はい!」
詩歌は愛奈さんに力強く託すと、強く愛奈さんの手を握った。
「では行って参ります」
「「いってらっしゃい!」」
ぺこりとお辞儀をして、愛奈さんは光り輝く月を背に走り出した。
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