5月5日Ⅶθ(2)

別荘の近くに車がついた時、時刻は24時を回って、5月5日になっていた。

「汀、佐藤さんを別荘の中へ入れてください。

 大事な話があります」

「了解しました」

焦りを滲ませる声で三和さんが師範に指示を出すと、師範は携帯を操作しメッセージを送信する。

よかった。

無事今回もループできたみたい。


別荘に車がつくと、私は三和さんと師範と共に奥の小部屋へと入って行った。

架那ちゃんもついていこうとしたけど、私は首を横に振って止めた。

仲間外れみたいになっちゃうけどごめん。

架那ちゃんには言えないんだ。


「神坂何を突っ立ってる。早くすわれ」

先に席についた師範が私を催促する。

「はい」

何故だか一つ返事をするだけで、涙が滲み出てきた。

師範が生きてる。

それだけで嬉しい。

「ではまず単刀直入に言います。

 私と詩歌さんは昨日から戻ってきました」

唐突に三和さんは師範に事実のみを告げる。

師範もこれが初めてではないのか、落ち着いて続きを促す。

「本人に告げるのは酷かもしれませんが、今日の晩貴女は死にます。

 四咲の雇った暗殺者によって」

それを皮切りに、三和さんは淡々と昨日起こった出来事を語り始めた。

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