5月5日Ⅶ(1)
別荘の近くに車がついた時、時刻は24時を回って、5月5日になっていた。
「汀、佐藤さんを別荘の中へ入れてください。
大事な話があります」
「了解しました」
焦りを滲ませる声で愛奈さんが汀さんに指示を出すと、汀さんは携帯を操作しメッセージを送信する。
言われてみると佐藤さんが会場から姿が見えなかったが、先に戻っていたのか。
なるほど。
別荘に車がつくと、愛奈さんは詩歌と汀さんと共に奥の小部屋へと入って行った。
私もついていこうとしたら、詩歌に優しく首を横に振られた。
そうして私は3人の話し合いが終わるまで、佐藤さんとリビングに残ることになった。
「では私はこれからの予定をお話しさせていただきますね」
私が手持ちぶたさにならぬよう、佐藤さんは私に話を始めた。
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