5月5日Ⅵ(2)
圧巻。
圧倒的な戦いぶりだった。
「すごいですね」
愛奈さんも同様に詩歌に舌を巻く。
「よくやった神坂、もうそいつは離していいぞ」
汀さんが車を降りて詩歌の元へ歩いていきながら指示を出す。
「え、でも」
「いいから」
「了解です師範」
ほんの少しの問答だけで汀さんの真意を察したのか詩歌は頷くと、掴んでいた相手を離した。
「怪我はないか?佐藤」
不審者さんが被っていたマスクを外すと、その正体は私がトイレから戻ってから姿が見えなかった佐藤さんだった。
「いやぁ骨折れるかと思いましたよ。詩歌さん強すぎです」
佐藤さんは腰をぱたぱた手で払いながら立ち上がる。
「よかったな神坂。合格だ」
「あざます」
詩歌は汀さんにぺこりと頭を下げる。
とても晴れ晴れとした笑顔だった。
詩歌あの3日間であんなにも成長していたのか。
そりゃああんなに疲労困憊にもなる。
お疲れ様、詩歌。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます