4月09日(2)

「架那ちゃん一緒に帰ろ!」

4時間目が終わると、神坂さんは私のところへ来た。

まあ私のところへ来ると言っても、私の一つ後ろの席なので、そんなに遠出なわけではないのだが。

ちなみに神坂さんは、毎休み時間ごとこんなふうに私のところへ来ていた。


「いいけど、私の家静岡だからJRだよ」

「ほんと!?私も静岡なんだ奇遇だね!」

神坂さんと通学が半ば確定したかもしれない。

別に嫌なわけじゃぁないよ。

ただ、神坂さんはなんでこんなに私に話しかけてくるんだろうって思っただけ。

「じゃあ帰ろうか」

「うん!」

二人でてくてく駅に向かって歩いて行く。

なんか青春っぽい。

気のせいか。

私なんかが烏滸がましい。


-無言になってしまった。

気まずい。

何か言わなきゃだよね。えっと。

「架那ちゃんは私と話すの楽しくない?」

神坂さんが珍しく声のトーンが低い。

私そんなに楽しくないような顔をしてただろうか。

「いや、そんなことないけど。どうして私なんかつまんない奴に話しかけてきてくれるのかなって」

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