5月5日Ⅶθ(8)

「詩歌さんあれです。

 あそこに群がっていらっしゃるのが抗議団体です」

三和さんが指さした会場前を遠目で見ると、確かにプラカードなどを持った集団がいるのが見える。

「ああ言う場合、愛奈様もおっしゃっていたが一番厄介なのは無傷で無力化させねばならんことだ。一般人を攻撃したとなれば、四咲にすぐ嗅ぎつけられて三和の名が失墜してしまうからな」

「なるほど」

そうか。

四咲未来は師範が思う存分動けないフィールドをこうやって作り出したのか。

小狡い手を。

むかつくなぁ。

「それと、侮ってはいけないのは四咲の暗殺者だ。過去手合わせしたことがあるが奴等は強い。奴等こそ仕留める気でかからなければこちらが逆に狩られるぞ」

「変な遠慮は、いりませんと言うことです」

三和さんが師範の説明を要約する。

「わかりました」

私は頷いて笑みを浮かべた。

師範がいて手加減しなくていい相手なら楽勝でしょ。

気を抜かなきゃ大丈夫。

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