4月15日Ⅳ(7)
「次どこ行こっか」
彌吉を出ると、神坂さんが私の方を振り返ってそう尋ねてきた。
「いや、神坂さんが行こうって言ったんでしょ」
「そうだっけ〜」
私の嫌味を笑ってスルーする神坂さん。
「あ、ねえねえ。いいこと思いついた!」
突然神坂さんがそう叫ぶと、手に持ったビニール袋から、先ほど購入したと思われるお菓子を取り出した。
「金の延べ棒型のチョコ?」
「せいかい」
私がそう推測すると、神坂さんは笑って首肯する。
「これさ、当たり付きなんだって」
神坂さんがチョコを手のひらの上に乗せてそう言う。
「ほう。それで?」
「これが当たってたら、私が架那ちゃんに一個命令できるものとする。
命令は遵守。っていうゲームはどう?」
神坂さんは、人差し指を私の前に向けながらそう言った。
要は、当たってたら神坂さんの勝ちで、外れてたら私の勝ち?
そんなの絶対私が勝つだろうに。
確率的に。
いいだろう。受けて立ってやろう。
「わかった。いいよ」
私はチョコを持つ神坂さんに向き直った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます