4月15日Ⅳ(7)

「次どこ行こっか」

彌吉を出ると、神坂さんが私の方を振り返ってそう尋ねてきた。

「いや、神坂さんが行こうって言ったんでしょ」

「そうだっけ〜」

私の嫌味を笑ってスルーする神坂さん。


「あ、ねえねえ。いいこと思いついた!」

突然神坂さんがそう叫ぶと、手に持ったビニール袋から、先ほど購入したと思われるお菓子を取り出した。

「金の延べ棒型のチョコ?」

「せいかい」

私がそう推測すると、神坂さんは笑って首肯する。

「これさ、当たり付きなんだって」

神坂さんがチョコを手のひらの上に乗せてそう言う。

「ほう。それで?」

「これが当たってたら、私が架那ちゃんに一個命令できるものとする。

 命令は遵守。っていうゲームはどう?」

神坂さんは、人差し指を私の前に向けながらそう言った。

要は、当たってたら神坂さんの勝ちで、外れてたら私の勝ち?

そんなの絶対私が勝つだろうに。

確率的に。

いいだろう。受けて立ってやろう。

「わかった。いいよ」

私はチョコを持つ神坂さんに向き直った。

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