4月30日Ⅴ(12)
「おばあちゃーん、ご飯にするから来てー」
髪を乾かし終わって、ご飯を始めようとおばあちゃんを呼ぶも返事がない。
あれ?
おばあちゃんどうしたのかな?
おばあちゃんの部屋へと向かうと、すやすやと畳の上で眠っていた。
なんだ。寝てるだけか。
「もう。布団も引かずに寝ちゃうなんて」
よいしょっと。
手早く布団を敷くと、おばあちゃんをその上へと移動させる。
「じゃあ先食べるからね」
小声で告げると、私は部屋の扉を閉めた。
「準備完了いたしました!」
居間へと戻ると、私の指示通り詩歌がたこやきプレートとガスコンロを用意してくれていた。
「うむよろしい」
冷蔵庫の中から、冷やしておいたたこ焼きの素、ソース、マヨネーズ、青のりを持って、机へと向かう。
「私焼きたい!」
「え、できるの?」
「多分!」
その笑顔は信用ならないことが下準備でわかったところなんですが。
「じゃあ一緒にやろっか」
「うん!」
うん。
これが安全な妥協案であろう。
「くるくる〜」
謎の擬音と共に片面焼けたたこ焼きをひっくり返す詩歌。
お?割と上手?
「ねね、私上手くない!?」
「意外…」
「架那ちゃんひどい!」
あははと二人で笑いながら、せっせとひっくり返す作業に入る。
「これはじめての共同作業、ってやつ?」
「ばか」
そう言うこと急に言わないでよ。
びっくりするんだから。
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