5月5日Ⅶψ(15)
「お父様!詳しい説明をお願いします!
架那様は一体どこの誰にどこへ攫われたのですか!?」
「すまないが、私は何も・・・。
手洗いに立って戻ってきた時にはもういなくなってしまっていた」
お父様は至極申し訳なさそうに謝罪する。
「・・・分かりました。また何か進展があればかけ直します」
「無理はするなよ」
私が通話を切ろうとした時、お父様はそう一言告げて通話を切りました。
「汀、詩歌さん。簡潔に今の状況を伝えます」
私は急いでホールに戻ると汀と詩歌さんを廊下に連れ出した。
「つい先ほど何者かに架那さんが拉致されました。行方は不明です」
「「っ!?」」
汀と詩歌さんが驚きのあまり声を出せずに一瞬固まる。
「慎之助さんがついていたはずでは?」
「護衛の佐藤さんは向かっていたんじゃないの?」
汀と神坂さんがほぼ同時に尋ねてきました。
「申し訳ありませんが詳しくは分かりません。今わかっているのは架那さんが攫われてしまったという事実だけです」
「くそっ」
詩歌さんが悔しそうに嘆いて地面を蹴りました。
私もその気持ちはよく分かります。
ですが、今はどうしようも・・・。
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