5月5日Ⅶθ(17)


「もしもし架那ちゃん!?今どこ!?」

「もしも---歌?」

電波が悪いのか途切れ途切れにしか声が届かない。

「今どこ!?」

「船の---か。」

「船なんだね?どこに向かってる船かわかる?」

「わかん---」

電話はそこで途切れてしまった。

「今わかったのは、どこかに向かっている船の上ということだけですね。一体その情報だけでどうしましょう・・・」

三和さんは難しい表情を浮かべて黙り込む。

「今から30分以内に出港した大型船を調べましょう」

師範が三和さんに提案する。

「どうして大型船だと?」

「今の電話の状況から見るに、今架那さんがいる場所は電波が悪い場所と思われます。

通信妨害電波が出ているような感じではなかったので、おそらく地理的なものでしょう。

そうすると、大型船のコンテナ内などがそれに該当するかと」

「なるほど」

すごい。

今の会話だけでそんなに条件を絞り込めるなんて。

「神坂は急いで身支度を整えろ。船が特定でき次第ヘリで急行する」

「了解しました!」

私は慌てて廊下を走ると、ホールに置いたままになっていた荷物を取りに戻りに走った。

架那ちゃん、無事でいてね!

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