5月5日Ⅷψ(8)

「愛奈様、本当に私は後方援護に回って大丈夫なのですか?」

「私の実力が足らないと言うことですか?」

「いえそのようなことはありません。ですが、いくら愛奈様とは言え、一度に100人近くを殺さずに開いて取りながら殺しのプロを相手するのは荷が重いかと思いまして」

汀はすぐさま頭を下げて謝罪しながら告げました。

「なるほどそう言うことですか。ですがだからこそ汀には全体を俯瞰できる後方からの援護射撃を任せたいのです」

素手で戦う汀と、薙刀で戦う私が一緒にいたらお互いがお互いの邪魔になってしまいますしね。

「畏まりました。異論は御座いません」

汀は大きく一礼しながら言いました。


「ですが、本当に手詰まりになったと思った場合には私をお呼びつけください。どんな状況からでも馳せ参じます」

「ありがとう。そうならないことを祈りたいものです」

そう。

できることなら今回でこの負のループを抜け出したいものです。

そろそろ私も詩歌さんも心が磨耗してきてしまっていますから。

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