4月15日Ⅳ(13)

「架那ちゃん、あそこにピアノあるのって知ってた?」

「ううん、初めて知った」

へぇ。

商店街にピアノなんておいてあったんだ。

特に気に留めたことなんてなかったけど、割とロマンチックかも?

まあ、私弾けないから意味ないんだけどさ。

「架那ちゃんが知らないことなんてあるんだ。

 てっきりなんでも知ってると思った」

笑いながら詩歌がそう言う。

「そんなことないよ。知らないことの方が多いし」

「ええ?でも入試は主席だったじゃん。満点とか?」

詩歌が食い気味に訪ねてくる。

少し恥ずかしい。

「そんなことないよ、248点」

「え、すっご!2点ミス!?逆に何落としたのか気になる!」

「国語が48点だった。漢字ミスとかじゃないかな」

「そうなんだ!でもすごいね!さすが私の親友!」

「あ、ありがと…」

詩歌はなんでもないかのようにそういうことをさらっと言ってくる。

私んなんかは、免疫ないから、そんなこと言われると縮こまっちゃう。

自己免疫できませんからね。

二次応答なんてできるはずもない。

でも、うれしい。

私も詩歌と仲良くなれて良かったと思ってる。

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