5月5日Ⅵ(3)

「この茶番が終わったところで、本題を話させていただきます」

別荘の中へと入って、汀さんは皆を前にして話し始めた。

「本題というのは、明日の話なのですが。

 明日、楠木様には浜松へ。愛奈様には伊豆へと向かう予定となっています」

「「はい?」」

私と愛奈さんは初耳情報に同時に首を傾ける。

「楠木様は、浜松にある本家で愛奈様の御父上が謁見を求めておりますため、向かっていただきたく思います。

愛奈様は、後ほど招待状を渡すのですが、何やら伊豆女子会なるものが画策されているらしく。愛奈様、二階堂紗良、四咲未来の3人で集まって会議をしたいと、本日晩餐会で話をされました」

えーと。

なるほど、よくわからん。

「わかりました。ただ、それと先程の詩歌さんの件については何か関係はあるんですか?」

理解が早い愛奈さんは、ひとつ疑問を汀さんに尋ねる。

「楠木様の護衛を神坂に一任しようかと思っております」

汀さんは詩歌を指差して微笑む。

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