5月5日Ⅸ(6)

「行くメンバーを変えるってのはどういうこと?」

詩歌が私に尋ねてくる。

「要は、戦える組とそうじゃない組に分けようって話」

「ですが、私は二階堂さんのいる伊豆へ。架那さんは浜松へ行かなければならないんですよ?どうすればそれを回避できるのでしょうか?」

愛奈さんは、至極ごもっともな質問をしてくる。

「要は発想の逆転。コペルニクス的展開だよ」

「コペル、何?」

愛奈さんはわかったみたいだったが、詩歌には知らない言葉だったようだ。

「コペルニクス的展開ってのは、物事の見方が180°変わる例えのことだよ。案としては、1回目と同じように愛奈さんと汀さんは伊豆へ。私と詩歌は浜松へ行く」

「ですが、それでは何も変わっていないのでは?」

そりゃそうだ。

そのままじゃ、ね。

「ただし、愛奈さんは詩歌に、詩歌は愛奈さんに変装してもらいます」

「「ええ!?」」

二人はまたも同時に驚愕した。

「そう、要は、見た目はそのままに、詩歌、汀さんの戦える組が伊豆、私、愛奈さんのそうじゃ無い組は浜松へ行きます」

そう、これが今残された唯一の勝ち筋だ。

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