5月5日Ⅸ(5)

正直、今の話が全て妄想だったら詩歌は作家になれると思う。

ただ、どこか今の話を聞いて、納得いくような自分がいた。

今まで経験したことがあって、それをただ忘れてしまっていただけのような感覚が。

だからこのことは事実なのだろう。

でなければそんな馬鹿げた話を詩歌はしない。


「とりあえず、詩歌も愛奈さんもお疲れ様。私のために大変な目にあったんだよね」

「ううん、私がしたくてしてることだからいいの」

「私も自分の意思ですから、気になさらなくて大丈夫ですよ」

二人は首をふるふると横に振りながら言う。

「それで、この状況を切り抜けるための作戦?を私が考えればいいの?」

「そう」

「そうです」

二人は同時に首を縦に振る。

先ほどから二人ともシンクロ率が高くて見てて小気味いい。

「うーん。正直、打てる手はかなり尽くしてくれたみたいだから、案は一つくらいしかないなぁ」

うん。

ただ、この案も成功するかどうかはわかんないって言うのがかなり怖いんだよなぁ。

「案としては、いくメンバーを変えよう」

「「はい?」」

二人はまたも同時に首を傾げた。

シンクロ率高いですねお二人とも。

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