5月5日Ⅸθ(7)

「愛奈さん、汀さん組の敗因は役割分担だったんだよね?パワーバランスと言うか」

「はい。汀が暗殺者一人を相手とっている間、私が一般人をまとめて相手取る算段だったのですが」

「だったら、素手対応の詩歌が行けば比較的楽に対処できると思うから、そうしたら汀さんものびのび戦えるんじゃ無いかな?」

「なるほど。たしかにその通りです」

伊豆組の懸念点は解消されたみたい。

「それと、愛奈さんを伊豆に行かせないのは、私の護衛のため。今のところ護衛がいれば私は攫われてないんだよね?詩歌」

「うん、今のところはそれで大丈夫」

「じゃあ、恐縮だけど愛奈さんには薙刀を持って私の護衛をお願いします」

「かしこまりました」

すごい。

あっという間に、現実的に活路のある作戦が練り上がっていった。

さすが架那ちゃんだ。

私なんかじゃ一生かかってもそんな方法は思いつかなかった。

「そうすると、あと問題としてはバレない変装だけど」

「でしたら佐藤に申しておきます。彼女の本職は変装技術ですので」

「おお、そんな偶然!ならそれでお願いしよう」

一番の懸念点も架那ちゃんは一瞬で消し去ってしまった。

さすが架那ちゃん。

ほんとにすごい。

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