4月09日Ⅳ(3)

「笑わないでね?」

神坂さんはそう前置きをした。

「架那ちゃんを一目見た時に、仲良くならなきゃ!って思ったの」

え、そんなメルヘンちっくな感じだったの?

新手のドッキリかと思った。

ぼっちに話しかけて遊んでみよう。みたいな。

なんだその陰湿な嫌がらせ。

私じゃなきゃ泣いちゃうね。

私でも悲しむけど。


「そ、そうなんだ。」

「うん!だから架那ちゃん、友達になろ!」

お友達、オトモダチ、お供達…。

「うん」

え?あれ?なんかうんって言っちゃった?

何も考えずに?あれ?

この口不良品かな。

まあ結果オーライ?

「やったぁ!じゃあ架那ちゃんこれからもよろしくね!」

神坂さんは眩しい笑顔でそう言って私に向かって手を差し伸べた。

本当、私には眩しい笑顔で。

「よ、よろしく」

私も精一杯の笑顔でそう返した。

引き攣ってうまく笑えなかったけど。


そんなこんなで、なんか友達?

ができたらしい。

やったね。

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