5月4日Ⅵ(2)

で、伝書鳩だと?

すげえ。初めて見た!

もっとちゃんと観察しとけばよかった。

こんな機会滅多にないだろうに惜しいことしたな、私。


まあ。それはともかくとして愛奈さんからの手紙を読む。

形式に則って丁重に書かれた文章をわかりやすく要約すると、つまりこう言うことだった。

今日の夜、熱海の別荘地帯で旧財閥五家が集まって晩餐会をやるから一緒に参加してほしい。

1時間後に迎えに行きますとのことだった。


いやいやいや。

え!?

ほんと!?

やっば急いで支度しなきゃ。

まずい今寝巻きのままだ!

あ、いやでも愛奈さんには寝巻き見られてるしいいのか?

いや良くないし。

出かけるんでしょ、馬鹿か私は。


着替え、鞄の支度、買い物に出てるおばあちゃんへの備忘録。

よし、やることはやった。

じゃあ家の前で待ってるとしようか。

できる女をアピールしておいてやろう。


じゃあおばあちゃん行ってくるね。

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