4月30日Ⅵθ(8)

「「ただいまー」」

架那ちゃんと二人揃って仲良く家へと帰る。

なんだか同棲してるみたいで嬉しいな。

もし架那ちゃんと一緒に住んでたらきっと毎日楽しいんだろうな。

朝から一緒にご飯を食べて、一緒に家を出て、学校に行って、また一緒に帰る。

そんなことはありあえないとわかりながらも、そんな未来を勝手に想像してしまう。


「おばあちゃん、今日の晩ご飯たこ焼きになったから」

「はいよ。気をつけてやりなね」

架那ちゃんがお婆ちゃんに報告して、買ってきた食材を冷蔵庫の中へ放り込んでいく。

「さすが架那ちゃん、手慣れてるね。

 いつも架那ちゃんがこう言うことやってるの?」

「まあね。お婆ちゃんにばっかり迷惑かけるわけにはいかないしね」

「へぇーすごいね!一家に一台架那ちゃんが欲しいよ」

「それはやだ」

二人でくすくす笑い合う。

ほんと、架那ちゃん家に来てくれれば良いのに。


「じゃあご飯の時間になるまで遊ぼ!」

「良いけど、勉強は大丈夫なの?」

「平気平気!とある理由でもう二次関数は解きまくったからね。

 ばっちぐーの、ぐぐぐのぐだぜ」

「よくわかんないけど、良いなら良いや」

架那ちゃんはそう言って苦笑いする。

よぉし、今回はどれか一つでも勝つぞ。


で、時間を長引かせてそのままご飯に持ち込もう。

そうすればたこやき粉の睡眠剤を入れる時間なんて生まれない。

絶対に今回で終わらせてやる。

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