4月15日(5)
「おはよう!」
今日も朝、駅のホームで落ち合う。
彼女は元気に手を振って私の元へ走ってくる。
茶色がかった癖毛のある短い髪を揺らしながら走ってくる姿は、まるで子犬みたいだった。
それに比べて私なんて地味な短い黒髪に細いだけの体型。
はあ。
「どうしたの?朝からため息なんてついて」
おっと。声に出てしまっていたのか。
「ううん、神坂さんは可愛いなって」
初めて人に可愛いなんて言った気がする。
「ほんと!?嬉しい!
でも架那ちゃんもクールビューティーですごい綺麗だよ!」
彼女は無邪気に笑う。
「あ、ありがとう」
「どういたしまして!」
彼女は本当に屈託なく笑う。
見ていて清々しい気持ちになるほどだ。
「じゃあ行こっか」
「うん」
そうして私たちは駅から出ると、S高に向かって歩き始めた。
神坂さんを疑うような真似するのは気がひけるなぁ・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます