5月4日Ⅵ(7)
「あ、詩歌のお土産買わなきゃ行けないの忘れてた」
「お土産でしたら熱海銀座などどうでしょう?」
愛奈さんは北方面を指さす。
「ああ、テレビで見たことある。行ってみる?」
「そうしましょうか」
二人でテラスから立ち上がると、熱海銀座を目指して歩き出した。
「人めっちゃ多い!」
「熱海に観光に来た方は大抵いらっしゃいますからね」
興奮する私に、冷静に愛奈さんが解説してくれる。
詩歌と歩いてる時とは私の役割が違ってるなぁ。
「あの熱海プリンさんなんてどうでしょう?」
愛奈さんが指さした店は、外見が銭湯みたいなお店だった。
「暖簾に『毎度ご入浴ありがとうございます』って書いてあるよ。
元銭湯なのかなぁ」
「可愛らしい見た目ですね。行ってみましょうか」
私は愛奈さんに連れられて店内に入っていった。
「タイル張りの内装と風呂桶、まさに銭湯じゃないですか!」
愛奈さんは店内の内装を見て興奮したのか、話すテンションが高い。
「もしかして愛奈さん銭湯好き?」
「お恥ずかしいですが、私お風呂大好きなんです。
随分前に祖母に銭湯に連れて行ってもらった時にどハマりしてしまいまして。
以来お風呂の虜です…」
愛奈さんは、少し恥じらいながら言う。
「そうなんだ。全然いい趣味だと思うよ。
もしよければ今度みんなで銭湯でも行こ?」
「はい!」
愛奈さんは眩しい笑顔で笑った。
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