5月5日Ⅹ(13)
浜名湖で遊び終わった私たちは、タクシーに乗り込み、三和本家に向かった。
「お待ちしておりました愛奈様、楠木様。」
三和本家に到着すると使用人の方が私たちを出迎えてくれた。
「当主三和慎之介がお待ちです」
「「ありがとうございます」」
タクシーから降りた私たちを先導するように使用人の方が歩いていく。
私たちはお礼を告げて一礼すると、広いお屋敷の門をくぐった。
「では暫しこちらでお待ちください」
屋敷の中のとある和室で待つように指示され、私たちはカバンを下ろして椅子に座った。
「この家めっちゃ広くない?ほんとにお家?」
「そんな、大袈裟ですよ。旧財閥の現当主の館となれば、ある程度の大きさが無ければ示しがつきませんからね」
「なるほどね」
庶民が悩むことは一生ないであろう、悩みというものだろうか。
「愛奈様はこちらへ。楠木様はもう暫くお待ちください」
5分ほどして戻ってきた使用人の方に愛奈さんだけが呼ばれ、屋敷の奥へと伸びる廊下を歩いていく。
早くも太陽が沈み、優しい月の明かりが風情のある屋敷の庭と優雅に歩く愛奈さんを優しく照らしていた。
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