4月15日(9)
「正解。やっぱり架那ちゃんは頭いいね」
神坂さんは自分のことのように誇らしげな顔で笑う。
「正解って、どういうこと?」
私は神坂さんに尋ねる。
「そのまま。私たちがこうして会うのは初めてじゃないってこと。
実際問題これで3回目かな。」
わからない。
彼女が何を言っているのか。
何を伝えようとしているのか。
わかるはずなのにわからない、と言った感じだ。
私は何故か、彼女の言葉を疑うことができなかった。
「私はループしてるんだ。世界ごと。」
嘘だ。
そんなことありえない。
そう言おうにも、彼女の顔は至って真剣だった。
「でもこんなに早くバレちゃうのはこれが初めてだけどね。
どこでボロが出ちゃうかわかんないねぇ」
彼女ははにかんで笑う。
「私は架那ちゃんを守るためにこの世界をループしてるんだ。
って言っても信じられないよね?」
「-なんでかわかんないけど、信じられる気がする。」
そういうほかなかった。
だって混乱する頭とは裏腹に、心はひどく落ち着いていたから。
まるでこうなることがわかっていたかのように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます