5月5日Ⅶθ(25)
やはりもうこれしか無いか。
「三和さん。私死んでやり直すよ」
「ですが、まだ方法が——」
「方法がないから言ってるんだよ!もう今のままじゃ架那ちゃんは救えない」
三和さんは苦しそうな表情で俯く。
「ですが、いくらやり直せるからと言ってそう軽はずみに使っていい能力ではないでしょう?詩歌さん自身が気づいていなくても恐らく限界はあるはずです」
三和さんは諭すように言ってくる。
そんな純粋な目で見つめないで。
「わかってるよ!そんなの言われなくてもわかってる!でもこうするしか他に方法がないから言ってるの!」
私だって痛いほどわかってる。
こんな便利な能力いつまで持つかわからない。
なのにこの能力を頼りに行動している自分がいることもわかっている。
「私には架那ちゃんが必要なの。絶対に必要なの!だから失うわけにはいかない!」
わかっている。
今自分が話している内容がとても幼稚だと言うことも。
「ですがもし失敗したら、詩歌さんは死んでしまうんですよ!?それでもいいんですか!?」
三和さんは涙を目の端に溜めながら言ってくる。
「いい訳ない。死にたくないよ。でもね」
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