5月4日Ⅵ(4)

「そういえば詩歌はいないの?」

フカフカのソファーに座り、キンキンに冷えたドリンクを飲んだところで私はそう尋ねた。

いやね、今気がついたとかそんなんじゃないよ。

ほんとだよ。

「詩歌さんは先に別荘の方で待機しているはずです。

 ここ3日汀と剣道の練習をして、そのまま昨日の夜別荘へ連れていったと伺って

 ます」

なるほど。

今回は詩歌抜きとかそう言うんじゃないならよかった。

だからここ最近疲れたような顔をしてたのか。

「汀さんと剣道の練習?」

「はい。3日前突然汀が有給休暇を取得したかと思うと、ここ数年行ってなかった

 彼女の道場に詩歌さんの稽古をつけに行くと行ったきり、出ていったしまった

 のです」

愛奈さんも良くわかっていないような顔で言う。

「ああなるほど。戦闘漫画で良くある修行回か」

「それですね!」

二人でそう言って笑い合う。


それから1時間ほど愛奈さんと少年漫画について語り合った。

愛奈さんはゾゾの奇妙な冒険が推し作品だと言うことがわかった。

なかなか渋い好みだ。

ちなみに私は王道のヲンピースである。

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