5月5日Ⅹψ(17)

「だとすれば実際に確かめる他ないな」

「実際に、ですか?」

お父様は私にその案を告げます。

「ああ。今、愛奈に忠実な汀くんがここに来ていないと言うことは、きっとどこかに戦闘に向かっているのだろう?それと、新しく仲間になったと言う剣道家の神坂くんもいないのであれば、二人が揃って戦いに赴いていることは明確だ」

さすがお父様。

完璧な推理です。

「だとすれば、その敵が佐藤だと言う確証はないが、佐藤がその敵の音を引いている可能性は十分考えられる」

「汀と神坂さんで、敵を制圧した後、尋問をすれば何かがわかる、と言うことですか?」

「ああ。それが恐らく最も確実な方法だ」

お父様は断言なさいました。

私の目から見ても、その案が最も具体的かつ確実性があると思います。

「では、そう汀に伝えます」

私は、スマホを開くと、今話し合った内容を簡潔に汀に送信しました。

「では、話もまとまったところで楠木くんを呼びたまえ。食事にしよう」

お父様は、部屋の前で待機していたメイドにそう指示しました。


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