5月6日Ⅹ(8)

「「「いただきまーす!」」」

3人で、机に揃って座ると一斉に手を合わせて合唱する。


「シェフ、今日のメニューは何でしょうか」

詩歌が戯けながら私に尋ねてくる。

「昨日の今日で疲れていて、時間がなかったため、シェフの日替わり適当朝食となっております、と架那シェフは仰っています」

「な、なるほど」

愛奈さんが的確に私の台詞を代弁して詩歌に答える。

詩歌は、謎の説得力に頷いている。

「ちなみに適当というのは、適して当てはまるもの、という意味なので、良い加減にやるという意味の適当じゃないよ」

「そうなんだ…」

詩歌に豆知識を教えてあげると、詩歌は曖昧に頷いている。

「というわけで、まあ。真面目にレシピを言うと、ジャム塗ったパンとスクランブルエッグ、ソーセージ、コンソメスープ(ほぼインスタント)でございます」

「わぉ。うちの朝ごはんとほぼ変わんない」

詩歌はぱちくりと一回瞬きをしながら返答する。

「アニメで見たことしかなかったので食べてみたかったんですよ!ジャムパン!」

何故か愛奈さんは、テンション高めにパンを見つめている。

「とりあえず、食べちゃお」

「「はーい」」

こうして、私の手抜き朝食をみんなで食べることとなった。

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