4月15日Ⅳ(11)

「じゃあ、次はあっち行こ〜」

私をいじめて満足したのか、神坂さ、詩歌はずんずん奥へ進んでいく。

「ねえ詩歌、どこ行くか決めてるの?」

「えへへぇ。詩歌だって。詩歌」

こいつ。

話聞いてるのだろうか。

「ねえ、詩歌!」

肩を揺すってやる。

うわ。

なんか軟体動物みたいな動きしてる。

「え?なぁにぃ?架那ちゃん」

「どこいくか決めてるの?って聞いたの!」

「えっとねー、あっちー」

いやどこだよ。

ノープランなんですね詩歌さん。

そうなんですね!?

「あ、なんかあっちからいい匂いする…。行こ!」

ふらふらしていたかとおもうと、不意に目を見開き、詩歌は走り出した。

「あ、ちょっと待って!待ちなさぁい!」

もう。

これだから詩歌は。

しょうがないなぁ。

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