4月15日(10)
「これルール違反なのかわかんないけど、言うね」
神坂さんはそう前置きして、話し始めた。
「この世界がループするのは私の意思とは関係ないの。
架那ちゃんが、このことに気づくか、私がこのことを架那ちゃんに言うか。
他にもあるのかもしれないけど、私が自分で見つけ出した条件はこの二つだけ」
私は静かに頷いて、続きを促す。
「さっき言った条件が起こると、問答無用で世界はループの体制に入る。
それから数時間以内に私は死ぬの。絶対にね。
そしてその夜世界はループする。
私以外の記憶は一切消去された状態でね。」
彼女が言ったことが俄には信じられなかった。
ただ、彼女が言うからにはそれが真実なのだろう。
「だから私はもうしばらくしたら死んじゃう。
でもいいの。またやり直すだけだから」
彼女はまた儚げに笑った。
彼女の儚い笑顔は、そう言う理由だったのか。
「じゃ、じゃあ私がこんなこと言い出さなければ神坂さんは死ぬことはなかったの?」
私は彼女に尋ねる。
「架那ちゃんのせいじゃないよ。ボロを出した私が悪いんだもん。
架那ちゃんが気にすることはないんだよ」
その言葉を聞いた瞬間、私の体は神坂さんを抱きしめていた。
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