5月5日Ⅹθ(37)
「ぐうっ…」
私たちは、爆風に煽られ、2回、3回と強く床を転がされた。
「大丈夫か、神坂…」
「私はなんとか。師範こそ大丈夫ですか!?」
咄嗟に師範を見ると、背中のワイシャツが破け、何かの破片が一本深々と刺さっていた。
「大丈夫、とは言えんな。内臓には届いてないみたいだが、かなり刺さってしまったみたいだ」
師範は、珍しく弱々しい声で告げる。
「すぐ救急車を呼びますから! 死なないでくださいよ!」
「この程度で死んでたまるか、あほ」
師範は、私の頭をコツンと叩く。
「そうですよね、死にませんよね師範は」
私は、頑張って笑えただろうか。
お願い。
ここまできて、私から師範を奪わないで!
もう十分!もう十分だから!
「何をしてる、さっさと愛奈様に報告しろ」
「はい!」
私は慌ててポケットから携帯を取り出す。
さっきの衝撃で、スマホのガラスが無惨にも割れてしまっていた。
無事でいてね、架那ちゃん、三和さん。
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