5月5日Ⅷψ(15)
「愛奈様しゃがんでくださいっ!!!」
新たな敵を迎撃するべく霞椿を握り直したとき、突如汀の叫び声が廊下にこだましました。
私は指示通り勢いよく身体を低く屈めました。
その瞬間、数刻前まで私の首があった場所を鋭利なナイフの軌跡が走りました。
「四咲の間者です!」
「わかっています!」
汀に急ぎ返事をすると、私は立ち上がって後退しながら暗殺者に向かいなおりました。
くっ。
圧迫感が物凄いです。
命を刈り取る者、例えば百獣の王などを前に立っているようです。
暗殺者の方はダガーを両手に二刀持った戦闘スタイルです。
背格好からして女性でしょうか。
彼女は無言で加速すると、こちらに走ってきている抗議集団の波に溶け込みました。
「可能な限りの援護はします!」
「はい!」
こちらに精一杯声を伝えてくる汀に大きく返事をして、私は意識を研ぎ澄ました。
一般人を殺さずに、彼女を仕留める。
今更ながらなかなかな難易度ですね。
「かかってくるがいいです!」
自らを鼓舞するべく大きな声を出して、私は霞椿を振りかぶりました。
ループは今回で終わらせてみせます!
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