第61話 消えた短パン2

♪♪


俺はスマホを確認してみると…。


「あの先輩。朝のお詫びに晩ご飯作ります。来てくれますか?」


という内容だった。うん。まあ、とくに予定はなかったので俺は「ちゃんとしたの作れよ」と返事をして夕方海夜の部屋に向かった。


そして海夜の部屋に入ると…。


「また犯罪者にするなよ」


と、まず。言っておいた。これ大切だからな。今度は何の疑いをかけられるか。だからな。とか思いつつ言ったら…。


「…。どんな挨拶ですか」


ちょっと呆れた?感じで海夜が返してきた。


「いや、普通に過ごしたいからな。っか邪魔するわ」

「あっ、はい。どうぞです」


海夜の部屋に入るとすでにいい香りがしていた。


「これは…。炊き込みご飯か?」

「です。大したものがなくてごめんなさい」

「いや、それは別に問題ないが…。って海夜。実はかなり落ち込んでた?」

「へっ?」

「泣いてた?」

「な、泣いてないですよ!」

「…。まあいいか」

「なんなんですかー。もう」


いや、なんかな。海夜の顔をふと見たら…。心配そうな表情したんだよ。ちなみに泣いた?は勘である。でも、ちょっとだが。目が赤い気は…。まあいいか。とか俺が思っていると。


「な、なんですか。泣きますよ」

「別に全く怒ってないぞ?」

「…。ほんとですか?」


海夜がこちらを見つつ…、ちょっと明るい表情になった気がした。


「マジで泣いてたか」

「な、泣いてないです…。ご迷惑をおかけしましたから…。ちょっと」

「なら撫でてやろうか?」

「はい」

「即答」


うん。びっくりするくらい即答した。そして…、ちょっと照れつつ俺の前で固まっている。なんだこのかわいい生き物。ってか。もういつも通りになってないか?とか俺が思っていたら…。


「早くです」

「やっぱ甘えん坊期間か」

「先輩」

「ほら」


うん。こいつなんやかんやで実は俺が帰ったあと落ち込んでいた様子。まあホントなのかはわからんが…。


っか、人の様子を気にしている海夜…。これはこれでかわいいっちゃかわいいな。ここで目がうるうるしていたら加点だったが…。まあそれはなくてもだし。


まあ落ち着かせてやるために俺は海夜の頭を撫でつつ。海夜を引き寄せた。


「なっ」

「はいはい。泣くな泣くな」


と海夜の頭をわしゃわしゃしておいた。


「むー、な、なにするんですかー」


はじめはそんな事を海夜は言っていたが…。気が付いたらそっと俺の背中に手を回してきていた。


「海夜。終わり。わしゃわしゃ終わりだ」

「まだご飯炊けてませんから」

「謎な理由ー」

「先輩。次は優しく撫でてくださいよ」

「やだよ。終わったし。離れろよ」

「先輩が…。抱きついてきました」

「いやいや、撫でやすいようにだったんだが」

「違います。あれは引き寄せました。大胆ですね」


そういいながら海夜はさらにつかまってきた。うん。マジ甘えん坊じゃん。である。


「先輩」

「うん?」

「ごめんなさい」

「なんだよ急に」

「…。疑ったからです」

「ちなみに俺の予想ではまた同じことがあるとみた」

「な、ないですから!」

「海夜だからな。やらかすな」

「むー、絶対ありません」

「またあったらその時は…。だな」

「怖い事言ってビビらそうとしているのかもしれませんが。私は2度も疑うことはありません」


と、その時にご飯が炊ける音がしたため俺たちは一度離れた。ってかやっと俺解放されたよ。


そのあとは海夜が作ってくれたご飯を食べ。っか海夜が作ってくれた卵焼き美味かったわ。


「ごちそうさま」

「はい」


食べ終えたあとは海夜が片付けをして…。


「先輩」

「うん?」

「今日は先輩の家行きましょう」

「いや、却下」

「やです。明日も休みですからいいじゃないですか」

「だって海夜がいると疲れるし」

「むー、なんでですか」

「暴れるからな。マジで良る元気だし。さすが名前に夜が入っているだけあるな」

「むー。名前は親に聞いてください。ってか学校始まったら週末しか…。ゆっくりできないですから」


うん。めっちゃ可愛く行ってくるな…。とか思いつつ。


「甘えマックスの海夜だったと」

「終わらさないでください。って甘えマックスってなんですか」

「今の海夜だよ」

「…。先輩の部屋行きたいです」

「なに企んでるんだよ」

「なにもですが。先輩の部屋落ち着きますから」

「はぁ、まあいいけどさ」

「…。いいんですか!?なら行きましょう。すぐ行きましょう」

「必死すぎる…」


俺が言うとすぐに立ち上がり俺の腕を持った海夜。だったが…。


「あっ…。でも先にお風呂入ってから行きます」


そう言いながら俺から離れ本当に風呂の準備?をしようと海夜はしていた。


「風呂入ったら寝ろよ」

「お風呂入ってから眠くなるまで先輩と居ます」

「それ俺が運ぶパターンじゃん」

「大丈夫ですよ。ちゃんと眠くなったら帰ります」

「嘘だろ」

「大丈夫です」

「…。なら、海夜」

「はい?」

「来るなら覚悟してこいよ?」

「え?覚悟…?ですか?」

「そう」

「な、なんの覚悟ですか?」

「まあいろいろ」

「先輩が変態です。やっぱりお巡りさんですか」

「なんでだよ。ってか。男のところに乗り込んでくる方もじゃないな?」

「…」

「はい、無視ー」

「…。わ、わかりました。行きますよ。覚悟して行きますよ」

「覚悟してくるなよ」

「な、なんなんですかー。もう!覚悟してこい。や、してくるなとか」

「顔真っ赤の海夜見てると面白いからな」

「なっ」


うん。実際今の海夜はちょっと顔が赤くなっている。ホントからかうといろいろな表情してくれるから楽しいんだよな。こいつは。とか俺は思いつつ…。


「じゃ、海夜。帰るわ。ごちそうさま」

「あっ、先輩。ちょ、ねぇ、行きますからね。先輩」

「ご自由に」

「…。あ、ありがとうございます!」


とまあいろいろあったが。とりあえず海夜の部屋から俺は帰ってきてすぐ風呂に入っていた。


いや、あいつが来る前に入っとかないとな。なに言われるかだし。


しかし…。それから海夜は1時間たっても来なかったという。  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る