第135話 海夜猫はかわいい2
海夜に猫耳を装着後――うん。めっちゃ似合っているしかわいい。だった。
いや――いい感じに馴染んでいて、マジで耳が。というか。うん。海夜は猫が似合うだった。いや、犬でも似合うのかもだが――今のところ猫の方がリード。勝っている。という感じだった。
うんうん。かわいいじゃん。と、俺が思いつつ海夜を見ていると――。
「……」
「……」
「……」
「……ちょ、先輩。なんで付けたら無言なんですか――似合ってなかったですか?ですよね似合って――」
「あっ、悪い悪い。似合いすぎててちょっと見惚れてた」
俺がちゃんと感想を言うと――海夜はきょとんとした表情のち――。
「……にゃ」
小さく鳴いたのだった。それを見て俺は――
「かわいいかわいい」
頑張っている海夜を撫でると……海夜が溶けていたのだった。うん。マジで溶けたという表現が正しいかと思う。多分――本人は恥ずかしさもあるのだろうが。撫でられたのが嬉しいのか。褒められたのが嬉しかったのか。全部?かはわからないが。とりあえず俺がかわいいと言いながら撫でると――俺の方にもたれてきて、そのままニヤニヤしていたのだった。
「!?」
だが。それは長くは続かなかった。デレデレ。ニヤニヤ海夜だったが――はっと何かに気がついたのか。デレデレ、ニヤニヤをやめて俺にもたれるのもやめて。
「あ、危ない危ない先輩にダメ人間にされるところでした」
そんなことを言いながら自分の顔をぺちぺちと海夜はしていた。って――十分ダメ人間ぽくなっていた気がするが――と俺は思いつつ。
「今までに無く。ダラダラニヤニヤだったが?」
「なってません!」
「それは認めないと。じゃあ――とりあえず猫じゃらしで遊ぶか?」
俺はそう言いながら手元にあった猫じゃらしを再度海夜の前で振ってみると――。
「にゃあ!もう!そんなので喜びませんから!」
「めっちゃ喜んでいるような気がするんだが……」
「喜んでません!変態さんの――相手をしているだけです!」
猫語の方がついに先に出たが――と俺は思いつつ。そうそう、袋にはまだ入っている物があったことを思い出して。
「あっ、首輪もせっかくだから付けるか?」
「先輩が全く話を聞いてない!って――完全に私猫にされる!?」
―—リンリン。
袋に入っていた首輪を出して、テープで止められていたところを外すと鈴が鳴った。うん。ちゃんと鈴も鳴るんだな。と俺は思いつつ首輪を見ていると――。
「あっ、でも鈴が鳴るとうるさいか」
リンリン。
うん。首輪にはちゃんと鈴まで付いていて、今まではテープが貼られていたので鳴ることはなかったが。剥がすとちゃんと鈴の音がしている。俺が首輪を揺すっていると。
「……まあ鈴ですからリンリン鳴ってますね」
海夜は――呆れつつ?首輪を見ていた。
「山の中なら熊除けにはなるかもな」
「ちょ、先輩。まさかですけど、首輪して外とか嫌ですからね!?」
「まあまあ、それは可愛そうだからしないが。って、付けるか?」
「今日の先輩無駄に積極的!何で!?」
そう言いつつも――拒否はしてこない海夜だった。うん。絶対海夜も楽しんでるよなー。と俺は思いつつ。さらにちょっと調子に乗ってみる。
「あっ。海夜猫で写真一枚」
「い、いやですよ……恥ずかしい。って普段は写真とか言わない先輩が何で今は言うんですか!この変態!」
「一枚」
海夜が騒いでいても普通に続ける俺だった。いや、だって海夜――別にこれ怒ってないと思うからね。うん。楽しんでいるに一票だよ。
「ホントグイグイ先輩がくる……違うときに来てくださいよ」
「今日は――場の雰囲気だな。いつもと違うからいつもと違うことを――って、とりあえず首輪付けるか?」
俺がそう言いながら首輪のロック?というのか。まあチョーカーと同じなのかはわからないが……って、あっ。俺チョーカーという物はわかっているが。実物見たことないんでね。多分そうなんだろうな――と思いながら今思っているが。まあこの首輪は簡単に引っかけるだけみたいなので――まあそのロックを外して――海夜に付けてみる。うん。嫌がっているようなことを言いつつも――ちゃんと俺が付けやすいように動く海夜だった。
「ちょ、先輩……もう。恥ずかしい――」
ちゃんと文句を言うのは忘れずに。という感じだったな。ってか――こういうの付けるのは付けるでちょっと恥ずかしいな。と俺が思いつつも首輪を海夜に付けてみると……猫が目の前に――いや、上半身?肩から上が猫の海夜が出来上がったのだった。
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