第50話 久しぶりの制服
「疲れましたー」
いつもの声が俺の部屋に響く。
「疲れた。って始業式?だっけ?式だけだろ?俺たちはもう普通に講義あったんだからな」
現在はお昼過ぎ。
久しぶりに海夜が制服姿で俺の部屋に…。帰ってきた。だな。
海夜は学校の荷物も持ったまま帰ってきた今である。
「学校に久しぶりに行ってきたんですから疲れますよ」
「こっちは午前中だけでも…。えっと、3時間か。2限も講義が1発目からあったんだからこっちの方が疲れてるよ」
「先輩の方は私にはわからない世界なので何とも言えませんが…。とにかく私は疲れました」
「俺の話はスルーかよ。ってか…。まあ来るなとは言わないが。着替えてから来いよ」
「いいじゃないですか。制服姿はあと1年しか見れませんよ?」
そう言いながら俺の前でくるりと1回まわった海夜だった。スカートがフワッとして気のせいかも知れないが…。いつもの海夜の香りというのか。いい香りがほんのりとここまで届いた気がした。
「…。なにそれ?」
「先輩が制服着てくれ!言っても卒業しちゃったら着ませんよ?今目に焼き付けないとですよ?」
とか俺は言いつつ。確かにそうか。海夜もあと1年で卒業。まあ何もなければな。だから1年後か。ちょうど1年後くらいには…、こいつどんな姿してるんだろうな。とか俺は思いつつ。ってここで変に話を続けてもなので…。
「…。馬鹿かこいつ」
と、言っておいた。すると…。
「なー、馬鹿言ったー。むー。罰としてお昼ご飯を要求します」
「単に疲れてなにもしたくないんだろ?それでこっちに帰って来た」
「…そうともいいます。って、学校は疲れるんです。これは本当ですよ。人間関係とか大変なんですから」
「人間関係は…。だがまだ授業も始まってないし。短時間だろうが。今疲れた言っていたらこれから通常授業になったらどうするんだよ」
「…。先輩。お腹すきました」
「都合が悪くなったから強制終了か…。はぁ…。まあ簡単におにぎりとスープでいいか?」
「はい。問題なしです!」
俺が冷蔵庫の方へと歩き出すと後ろでは元気な声がした。
それから俺はお湯を沸かしつつ。冷凍のごはんを温めて…。冷凍ご飯あってよかったー。とか思いつつだな。なかったらいきなりメニュー変更だったからな。
まあそして簡単におにぎり4つとスープを作り。海夜の待っている机に置いた。
「はいよ」
「ありがとうございます。ちなみにおにぎりの具はなんですか?」
おにぎりを見つつ海夜が聞いて来たが…。まあここは楽しみも必要だろうということで…。
「食べてからのお楽しみだな」
「…。わさびとか入れてませんよね?」
海夜はちょっと疑いの目というのだろうか。本当に大丈夫ですよね?という感じで再度おにぎりを見ている。
「大丈夫だ。あいにく普通の材料しかなかったからな」
「あったら入れるつもりだったんですか!?」
「おにぎりいらないならいいけど?4つくらい食べれるだろうし」
「食べますよ。ありがとうございます。いただきます」
海夜はそう言うと素早くおにぎりを1つ持っていった。そして一口食べて…。
「あっ、こんぶ」
「だから普通って言っただろ?」
「はい。普通でした。そして美味しいです」
とまあお昼の時間はそんな感じに海夜と話しながら食べたら過ぎていった。
ちなみにおにぎりの中身はこんぶの他には梅干しと塩むずび。一応ハズレで…。ただの白米。もあったのだが…。梅干しとこんぶを海夜が引き当てたため…。
まあ俺はご飯そのもののおいしさを味わったのだった。
こういうのって。仕組んだはいいが…。普通に仕組んだ側が食べることになるんだよな。まあ今回のは普通にどれも美味しいから問題ないんだがな。
お昼ご飯の後は俺が片付けをしている間。海夜はスマホをポチポチとしていた…。と俺は思っていたのだが。片付けを終えて俺が海夜のところへと向かうと…。
「海夜」
「…」
「寝てるし」
昼ごはんのあとしばらくすると俺のベッドでくつろいでいる制服美少女が居た。気持ちよさそうにちょっと丸く?身体をして気持ちよさそうに夢の世界へと旅立ったらしい。ちなみにスマホをいじった状態で夢の世界に行ったらしく。海夜の手の下敷きにスマホがなっていたので俺は海夜のスマホを救助してから…。
ホントに久しぶりの学校は体力を使ったのかね。とか俺は思いつつ。一応海夜にブランケットをかけてそっとしておいた。
いや、ちょっと海夜の姿勢がな。丸まっている感じで太ももあたりがあのままでは際どかったんでね。っかこいつこの部屋に居ることに慣れ過ぎて無防備というな。ホント顔に落書きするか。覗くぞ。だわ。まあそんなことはしないが…。
っか、まあ確かに食べたら眠くなるんだよな。と俺は再度海夜を見つつ。今日はいいが明日には昼。この時間も講義あるから…。しんどそうだ。春休みでだらだらに慣れたからな。とか思いつつ俺も床に座りのんびりとスマホをいじっていたら…。部屋が静かだったからだろう。
ちょっと俺も夢の世界へと行きかけたのだった。
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