第51話 久しぶりの制服2

俺が夢の世界へと行っていたのは多分数分の事。

俺は持っていたスマホが床に落ちる音とともに現実に戻された。

そしてちょっと背伸びをしつつ…。時間を確認とスマホを手に取ったところでベッドの方から声が聞こえてきた。


「…。うーん。あれ?私…。寝てた?」


うん。制服美少女様が夢の世界から帰って来たらしい。


「起きたか?」


俺はスマホを操作しつつ。声の主に声をかけた。

ちなみに俺が夢の世界へと行けていた時間は立った12分ほどだったらしい。

思ったより時間は過ぎていなかった。


するとベッドの方から再度…。


「…。あっ…。先輩」

「うん?」

「ブランケットかけてくれました?」


声の方を今度はちゃんと向いて返事をすると海夜がブランケットを持ちつつこちらを見ていた。


「ああ。スカートが際どかったからな」

「なっ、見ましたね。最低ですよ。寝ている時に」

「見てない見てない」


ホント。太ももしか見えなかったから。覗いてないからと俺は思いつつ返事をしたのだが…。何を勘違いしたのだろうか。急に海夜は勝ち誇ったようなポーズをして…。


「…。でも残念でした。ちゃんと短パン履いてますから」


とかなんか急に言い出したのだった。


「その報告いる?なに?めくって欲しいのか?変態だな」

「ちょ、めくるとか絶対にだめですからね。わかってますよね?したら訴えますよ?」

「はいはい」

「っか、先輩。なにスマホ必死にみてるんですか?」

「えっ?あー、いやな。カバンが古くなって来たから。なんかないかと思ってな」


そこまで必死には見ていなかったんだが…。な。まあ先ほどちょっと夢の世界に行く前から俺はスマホでちょっとカバンの検索をしていた。


「先輩ぼっちなのにカバン要りますか?」

「この後輩なかなか酷いこと言ってくるよな。ってか学校用だよ。2年間毎日使ったから。ってか実際は高校の時も使っていたから…。もっと前からか。とりあえず長く使っていたからか持ち手のところがボロってきたからな。あと大学通いだしてから重たい物も結構入れていたから持ち手が切れそうなんだよ」


俺はそう言いながら部屋の隅に置いてある大学用カバンを指さした。

ここ数年間活躍したカバン。特に柄とかはなく黒のカバンである。

まあぱっと見は綺麗な方と思うが…。近くで見るとな。掏れていたり。角のところがほつれた?というのだろうか。ちょっともうしばらく使うと穴が開くのでは?ということになっている。

まあそろそろ買い替えかな?とは去年あたりから思っていたんだがな。

なかなか買い物に行っても気が付かなかったというか。

大学用のカバンは普通休みの時とかに出かける際には違うカバン。ショルダーバッグがあるのでね。持って行かない為。いつも忘れていたんだよな。家に帰ってきてから「あー。カバンの新しいの見てくればよかった」って3回くらい思ったことがあるな。うん。


「あーなるほど。確かに持ち手がちょっとですね。ここから見てもボロっているのがわかりますね」

「だろ?で、誰かさんが人の部屋で気持ちよさそうに爆睡してたから。俺は大人しくスマホでカバンの検索をしていたわけ」

「でも先輩。カバンとかは実物見ての方がよくないですか?」

「まあそれは思ってるが…。せっかく午後が暇でもな。誰かさんをこの部屋に放置していったら何が起こるかだからな。だから今のところはネットで検索というわけだよ」

「なんか先輩。私のせいにしてませんか?」

「してる」

「さらっと認めたー。って、起こしてくれたらいいじゃないですかー」

「疲れたんだろ?」

「…。まあ、はい」

「だから寝かせておいた、っか起きたなら帰れ。海夜まだ着替えすらしてないだろうが」


俺は海夜の制服を見つつ言う。


「…。買い物に行けないのを人のせいにするとは、なかなか酷い先輩でした」

「まあとりあえずそういうことだ」

「ちょっと話を強制終了しないでくださいよ。私が悪い。でまとまっちゃうじゃないですか。って先輩。なら今からカバンを見に行きましょうよ」


と言いながら海夜が立ち上がったのだった。あれ?何なんだろう。めんどくさいことになった?と俺が思いつつ海夜を見ていると…。


「…」

「…。なんですか先輩。そのめんどくさいみたいな視線」


バレたか。というかちょっと顔に出過ぎていたらしい。注意しないとだな。と俺は思いつつ。


「絶対俺が疲れる未来が見えたからな」


と、言ったのだが…。まあ海夜はもう行く気満々らしく…。俺のところに着て腕を引っ張り出した。


「ほら、行きますよ。先輩」

「…」

「先輩。立ってください」

「っか海夜。だからお前はまだ制服だろうが」

「大丈夫ですよ」

「いやいや、家近いし。行くにしても着替えて来いよ」

「…。学校帰りに買い物とかたのしそうじゃないですか」


とぁ海夜はちょっと照れつつ?言ったのだった。ってまあ俺も学校帰りに買い物?とかそういうのは経験ない気がするがな。とか思いつつ。


「ぼっちは未経験だったか」

「怒りますよ。ぼっち先輩」

「なんだよぼっち後輩」

「むー。行きますからね。先輩に拒否権なしです」


うん。ぼっちとぼっちが言い合うと…。めんどくさいな。うん。

まあとりあえず俺のミスで海夜が何かしてみたいこと?を思いついてしまったらしい。

すでに洗面所へと海夜は移動して…。まあ寝起きだからいろいろチェック中なのだろ。と俺は思いつつ。仕方ない。行くか。と準備を開始したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る