第96話 ネコとじゃれるのも必要

暗い部屋の中で――月明かりを頼りに何かしている俺達。

海夜はネコミミを装着し――。

今はめっちゃかわいいポーズしている。うん。かわいい。


本人は……かなり頑張っているのか。うん。薄暗い中でもわかるくらいほっぺたを赤くしているが……それがまたかわいかった。


写真を撮るのは許可が出なかったため――。とりあえず俺が満足するまで眺める。ということに今はなっていた。

いや――マジでかわいくてね。うん。こんなに海夜ネコミミ似合うんだーって感じですよ。はい。お金払わないとだめかもしれないレベルで似合っていてかわいかった。

ホントどっかに猫変装具グッズ売ってないだろうか――と俺は真面目に検索をかけようとして――。


「やめてください」

「……」

「やめなさい」

「……」


うん。海夜に止められたのだった。が。ネコミミしている時点で――何を言われてもされてもご褒美というね。うん。すべてがかわいかった。


「……」

「……」


それからも――しばらく見つめ合う。という時間がありまして……。


「……うん」


うん。いや、かわいいよ。めっちゃかわいいよ。でもね。

さすがに海夜限界なのかな?身体が――プルプルしているというか……顔がどんどん真っ赤になる。うん。少し前から赤くなっているのはもちろん知っていたが――ホント暗闇でもしっかりわかるレベルに今はなっていましてね。電気付けたら張り倒されるだろう。という感じだった。


すると――まあそんな海夜をね見ていた俺は――何故か――うん。ごめん。笑えたというか。そこまでしてくれるのか――とか俺が思っていると……。


「—―ふふっ」

「なっ、わ、笑った!最低!が、頑張ったのに!馬鹿ー馬鹿ー。先輩の馬鹿!ヘタレ!なんでいきなり笑うんですか!?」


どうやら俺の笑い。笑みの声がちょっと漏れてしまい。それが海夜に聞こえてしまったらしく。海夜がそう言いながら俺に猫パンチ攻撃をしてきた。


まあでも結構な時間俺の希望を聞いてくれていた海夜――って今なんか。酷い事俺言われなかった?気のせい?うん。気のせいにしておこうか。

とりあえず頑張ってくれた海夜に――。


「馬鹿馬鹿馬鹿……!—―えっ?ひやっあ!?」


俺はネコミミ海夜を引き寄せた。そして頭を撫でるおまけ付き。豪華でしょ?


「お疲れお疲れ」

「むぅ――」

「っか、ぎゃーぎゃー騒ぐなよ。夜なんだから」

「先輩が笑うからです」

「なら……口にガムテープ必要か。ガムテープは棚か」


俺が海夜を抱いたまま動こうとすると……。


「ちょ、おかしいですからなんでせっかく良いムードになったのに壊しますかね!?馬鹿ですか?このヘタレ先輩」


なんかまた言われたが――うん。今日は俺優しいからな。うん。いろいろ頑張ってくれた海夜に少しだけ優しいので聞こえなかったふりをして――。


ガムテープはいらないので――そのまま俺は海夜をベッドに運んだ。


「ちょっと、あっ……いきなり……にゃあぁぁぁ」


うん。猫が居た。かわいく鳴いてましたよ。うん。

何を勘違いしているかは知らないが――とりあえず。そろそろ寝るかと。運んだだけなんだがね。優しい俺。今日はしっかり甘やかす予定なんだが――って引っかかれた――。ということがありまして――。


翌日。

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