第148話 明るくなっても――
ゆっくりと2回目の露天風呂を満喫した後は――少し2人で水分補給などをしつつ室内でゆっくり過ごした。快適だったよ。お湯にのんびり浸かって、その後ものんびり最高の時間だった。うん。まあその後はさすがにおやすみなさいとなったがね。
さらに何か起るということはなかったな。海夜がね。さすがに露天風呂から出て、ちょっとテレビを付けて、のんびり飲み物をを――というときあたりから眠そうにしだしたので、寝ることになった。
カクカクしていて、注意力が――という海夜だったので、いじるには面白そうだったが――まあ、今日はかなり海夜頑張ってくれたからな。猫やら水着やら。後者は勝手にしてくれたのだが……良きものだった。あの組み合わせは最高だな。
ちょっとハマりそうというか――こんなこと言うと海夜に叩かれたり怒られたりしそうなので声には出さないが――マジで可愛かったな。うん。可愛かったしなんかいけないことをしている雰囲気ぷんぷんだったからな。よかった。まあ海夜がいろいろ頑張ってくれた。と、いうことでその後は仲良く寝ることになった。
「——まだ先輩と……遊びま……す」
横になりつつ海夜ははじめこそそんなことを言いながら何故か俺の脇腹を攻撃してきたが――それは1分も続かなかったと思う。
横になったら――夢の中だったかと思う。まあ俺も同じくだな。隣で気持ちよさそうに寝ている奴。さらに寝息まで聞こえてきていたらな。うん寝れた。多分俺も数分のうちに海夜と同じく夢の中だったと思う。
夢の中で何があったかは覚えてない。うん。覚えてないな。次の俺の記憶がはっきりしているのは。それから数時間後の事。
部屋が明るくなって俺は目を覚ました。どうやら寝る時にカーテンを閉めてなかったらしく。外から室内へと光が届いていた。時間的にはまだ早かった。どうやら日が昇り――すぐに俺は目が覚めたらしい。俺は背伸びをしつつ窓の方を見ると――大自然がドーンだった。そうだな。俺達秘境だっけか。そんなところ居たんだな。めっちゃ緑だった。って、朝からホントいい景色身体をまだベッドから起こしただけだが。その姿勢からこれだけ緑が見えるとね。うん。改めてすごいところに居るんだなだった。
ってか。いい天気だわ。などと俺は思いつつ。窓とは反対側に居る小動物を見る。いや、もう猫じゃないか。ちゃんとした人間だが――小動物でもいい気がするのは――口にしない口にしないである。はい。海夜がめっちゃ気持ちよさそうに隣で寝ている。完全に安心し切っている表情だった。
って……そういえば昨日はなんかいろいろしてしまったというか……いや、こんな場所来ることないからテンション上がって――なんかいろいろやったというか。あれ?今思うと恥ずかしいことしてなかったか?ベタベタくっついて……うん。猫にさせて見たり――そのまま一緒にお風呂――あっ。その前には水着猫も――。
「……」
うわぁ……俺が昨日の事をちょっと冷静に思い出しているとどうやら隣が寂しくなったのか。寝ぼけつつ何か探している?か感じの動作をしてから海夜が目を覚ました。
「……あー、朝。あっ、先輩。おはようです。早いですね……今何時ですか?」
寝起きの海夜。かわいい。ちょっと髪がボサッとなっているのがまたかわいい――って、あっ。ダメだ。なんか見れない。昨日の事を思い出して――とか言うことをしていたからか。うん。海夜をちゃんと見ると――なんかにやけるというか――うん。とにかく、何か言われそうだったので見れなかった。
「——あ、ああ、おはよう」
俺は海夜から目をそらし。外を見つつ返事をした。さすがにあからさまに――という感じだったので、すぐに海夜も俺の変な行動には気が付いていて――。
「——うん?先輩どうしました?」
「い、いや――なんでも」
「……」
うん、めっちゃ視線を感じる―見られてるなこれは。
「……」
「……あっ、もしかして私が寝てる間に何か悪戯しました?しましたよね。その反応落書きとかしてないですよね?」
後ろでバタバタ動く音が聞こえてきたが――もちろん俺はそんなことはしていない。見ていただけだからな。
「してないから。何もしてない」
「うーん。怪しいです。先輩が何故かこちらを見ないですし……」
「いや……」
「先輩?」
するとベッドがきしみ。横に海夜がやってきた。
「いや――そのですね。海夜を見ると昨日バカなことしてたなぁ……と、記憶がよみがえってきましてね。はい」
変にいろいろ言われてもなので、隣へとやって来た海夜に正直に言ってみると――。
「…………やっと恥ずかしいことしていたのに気がついたんですね。今更ですけど」
「……」
そういや、昨日の夜。海夜はなんか後悔しても知りませんよ。的な事を言っていたか――いや、マジで昨日は楽しくてね。うん。その場の楽しみを優先したわけで――。
「だから私は言ったのに。知りませんよ。と。でも先輩テンションマックスで――まあ私は渋々お相手をしてあげたのです」
「渋々ではなかったような――」
「渋々です」
「水着。ビキニ来ていたのは誰だ?」
「——」
海夜の視線が俺が外れた。
「お互い様らしいな」
「——変なことは思い出さなくていいのです。楽しかったから良いのです」
「……水着猫ね」
呟きつつ海夜を見ると――うん。昨日散々見ていたからか。それともあまりにも似合いすぎていて可愛かったからか。今は浴衣姿の海夜なのだが――勝手に水着猫バージョンに脳内で変更できるという――うん。やっぱりあれはヤバいな。
「——先輩?変な事考えてません?」
「よし。顔洗ってこよう」
「あっ、逃げました」
「起きるためだ。起きるために顔を洗うんだよ」
「先輩が逃げたー。絶対今いやらしい事想像して――ですね」
「うるさいな」
「あっ、その反応考えてましたね。朝から――もう」
「なにも言ってない」
「絶対考えてました」
「今日もこいつ元気だな。睡眠時間短い気がするが」
「先輩の横は数分で体力回復です」
「——それはそれで怖い」
「ふふっ」
「うわー、良し逃げよう」
「逃げる宣言してるじゃないですか。私も顔洗いたいです、私が先です」
「俺が先だ」
「私ー。って、ふふふっ」
――なんだろう。後ろから俺を追いかけてきた海夜が大変笑顔。なんか笑われている気がするのだが――仕方ない。俺が余計なことを想像したからな。うん。顔をあらえば……大丈夫――いや変わらないか。そんなことを思いつつ海夜より先に顔を洗ったのだが――やはり変わらなかった。
海夜見ると勝手に猫モードやらやらいろいろ見えるというか……昨晩を思い出す俺だった。そしてそんな俺の様子が面白かったのか。しばらく隣にやってくる海夜がニヤニヤしていたのだった。うん。何してたんだよ俺。マジで。シャキッとしろ――なんだが。ダメだ。昨日の海夜が頭の中から離れなかった。可愛すぎるのも問題だな。
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