第111話 違和感

大学の昼休み。


「……海夜?」

「……」

「海夜?」

「……えっ、あ、はい。なんですか?先輩」


やっと俺の問いかけに海夜が反応した。


「いや、大丈夫か?ボーっとして」

「あ、はい。大丈夫ですよ?」

「……なら、いいが。授業中爆睡しても知らんからな?」

「だ、大丈夫ですから!もう」


……昨日あたりだったか。昼休みにやってくる海夜が少し疲れた感じだった。


いや、勉強や暑さ?そもそも俺の気のせいかもしれないが……なんか周り?を気にしているような……いや、でもまあ話してると普通なんだがな。なんとなく――な。なにか海夜が疲れている気が俺はしていた。


それに昨日も学校から帰ってきてからか。

やっぱり何かに疲れて?なのか俺の横で海夜は大人しく休んでいる?感じがあったんでね。本人は普通に過ごしている感じ――を出していた気がするが。うん。なにか俺は違和感を感じたのだった。


――ってまあなんか俺が行っているが――海夜のそんな様子を見たときに俺がすぐ思いついたのは、また嫌がらせ?と、思っていた。

でも海夜が相談してくる気配がなかったので……まあ、勝手に様子見をすることにした。

いや……なんか俺がストーカーみたいだがな。って、これストーカーか。うん。流石にそれはやめた方が……だったが……。


翌日俺は朝海夜と登校した。海夜には図書館に寄りたいやらやら理由付けてな。まあちょうど課題もあって実際に作っていたから嘘ではない。海夜に疑われても大丈夫なように、データを入れたUSBメモリ持ち歩いているからな。海夜に説明する時も課題だ。と言い見せた。だからかまあ海夜は何も疑うことなく。普通に嬉しそうにしてたな。一緒に登校すれば会話があるやら何やら言っていたな。あと――。


「先輩が満員電車乗ってまで勉強とは、雨降らさないでくださいよ?」


とか登校中に言われたな。まあ満員電車はマジいやだったが……。

ちなみになぜ登校を一緒にしたのかは、前の時も登下校で……みたいだったからな。俺も実際見たし。そして学校内では……って海夜が言っていたはずだからとりあえず様子見で登校を一緒にした。


ちなみに朝は何もなかったな。まああったらびっくりというか。こんな勘当たってほしくないからな。


あと放課後は……俺の講義があると――だったが。これはホントたまたまだったがこの週は、海夜の下校時間の方が遅い日ばかりの時だった。

あっ、海夜の下校時間はさりげなく会話で聞いた。

なので帰りも一緒……に、出来たのだが。さすがにそれは怪しまれそうだったので、俺は海夜を後ろから見る。うん。ストーカーだわ。うん。完全に俺ストーカーだったので今週様子見してなにも無ければすぐにやめよう。と考えていた。まあたまたま講義が休講とかだったのは今週だけだからな。とか俺が思っていたら――。


起こったのだった。


「……………………」

「……」

「…………」


高校からの道と大学からの道が合流する少し手前のところで俺が海夜が出てくるのを待っていると――あっ、ここはベンチとかがあるところだったんでね。ちょっと遠かったが……さすがに海夜なら見たらわかるので。俺は怪しまれなさそうなその場所を選んで待っていた。


ってそうだよ。待っていたら――早速というのか高校の方から来た海夜が男子2人に挟まれ。迷惑そうに歩いていたのだった。遠くからでも嫌そうに海夜がしているのがわかったのだった。


いやいや、予想通りいかなくても……と、思っている俺だった。

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